「ブルーテント クリスマス」キャスト対談 Vo.3
■ホームレスという役に決まったときにどう思いましたか?
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小沢和之
(先生役) |
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浅田啓治 (肥後役) |
浅田:
僕は決まった時、正直全然キャラがみえなかったですね。他の役で先生とか荒俣とか長河辺とかはなんとなく分かるんだけど、一番分かんないのがまわってきてこれは困ったぞっていうのはありましたね。
小林:
決まった時はセリフもほとんどなかったっすよね。
浅田:
そうそう。
長谷: 年がね
・・・
小林:
それはあるんじゃないかな。
浅田:
それはあったね。
チロル:
みんなプラス20、30じゃねえ。
青木:
多分未だに苦労してるとこじゃないかな。
小林:
そう、、、だね。どうなんですか、芝居中は意識しながらやってます?
浅田:
最初はしてたけど、逆にアプローチの仕方が変わってくるよね。最初は形からは
いろうと、年をとったキャラクターを作るけど、声を無理やり作ったり、姿勢を悪くしたりとかね。ただ、肥後って自分の役のキャラクターがみえてきて、その
キャラクターに近づけようとすると、自然と年齢もでてくる。おじさんをやろうと思うんじゃなくて、肥後をやろうと変わってくるかな。
嘉山:
私は、まだ皆が年齢とか出てないときに、久間さんに私はどうですかって聞いたら、そのままでいいよ、って言われてちょっと複雑でした。(笑)
小林:
それ言うと僕がクロ役っていうのもちょっと複雑でした。クロって・・・
(小林は
自黒なのです)
浅田: でもこ
ばやん(小林)のクロっていうのは台本配られた時点でかなり決まってたでしょ。
一同笑い
小林:
僕自身ピンときましたもん。(笑)
でもシロよりはいいですけどね。もっと複雑になりますよ。
長谷:
犬?
俺はヨッチャンの役がきたときは、俺か?って、俺かあって思いましたね。
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松本雄介 (荒俣役)
*今回の対談は欠席ですm(_ _)m
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チロル
(甚六役) |
小林:
でも久間さんに伸び伸びとやってるって言われるよね。
長谷:
うん、 もう一つの役より誉められてるから。あんな久間さんに誉められたのはじめてかも。
一同笑い
浅田: でもい
いよ。
青木:
ヨッチャンは毎回芝居中に色んなもの作ってますよね。
小林: 芸術的
だよね。
浅田: たまに
笑いそうになるもん。最終的にはものすごいものになるんじゃねえの。
青木:
皆に聞こえないように鼻歌歌ってるんですよ。
浅田:
うそ、気づかなかった。(笑)
青木:
僕は、小松ってサラリーマンだから、自分と全く違うから苦労しました。相槌の打ち方から一から全然違うって感じ。
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長谷周作
(ヨッチャン役) |
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青木栄一
(小松役) |
小林:
鏡見てやってるもんな。
浅田:
まじめだ。
小林:
でも、みんな自分の年って何歳に思ってる?
嘉山:
52歳かな。
小林:
くろ53なんですよ。
小沢
:
56か7かな。
小林:
皆同じじゃん、
浅田:
今考えたでしょ。
浅田:
でもあういう世界の人たちって年齢気にしてないよな。多分自分の年齢もはっきりしない人もいるだろうし、芳江さんとかどうでもいいんじゃね?
嘉山: (笑)
でもさ、この前、炊き出しの現場に行って実際にホームレスの人たちと会ったじゃん。結構衝撃的だったよね。
青木:
びっくりしましたね。こんなにいるんだって。
小林:
俺は実 際ラビアンローズの人達と一緒で、ホームレスに対して世界が違う人という感覚にしかとらなかった。
浅田:
かなり 心の準備をして、役作りの勉強として行ったとこもあるんで、ある種、一歩ひいてみたんですね。こういう世界があるという現実を受けとめたかな。それは支援団体の人に対しても、ホームレスの人に対しても。
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小林祐介
(クロ役) |
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嘉山理絵
(芳江役) |
嘉山:
道路一本隔てて、ホームレスの人が暮らしてる場所と、反対側は高級マンションが建ってるという現実を実感した。
青木:
今までは街にいるホームレスってなんか景色の一つでしかなかったんだけど、最近はよく観るようになったな。
浅田:
確かにあるね。
嘉山: 分かる
。
小林:
見てしまうもん。ちらっとみるだけじゃなくて、観察してしまうもん。
小沢:
今までのホームレスのイメージより、服装とかもそんなに粗末すぎないっていうか、普通に生活されてるなっていうのが、印象的で逆に6Cのメンバーのほうがちょっとお粗末なんじゃねってくらい。
浅田:
炊き出し一緒に食べてて、多分同化してたよね。
チロル:
してたしてた。
小林: だって
和さん行った瞬間に「浅田さんいますよ」って言ってましたもん。
長谷: 話して
も普通だったし、
小沢
:
ボランティアの人の中に昔自分がホームレスだった時に助けてもらったことをす
ごい恩義に感じてる方がいらっしゃって、それで活動に参加してて、そういうと
ころで繋がっているんだなって。ホームレスだった人がホームレスでなくなった時に、ボランティアする側になる人もでてこられるんだなっていうのが印象的で
した。もう二度とホームレスやりたくないっていう人が圧倒的に多くて、でもその人たちのために自分が動いてるっていうのが、なかなか出来ないことだし、自
分は、じゃどうかな?って思いました。
嘉山:
状況は違うけど、普通の人でもたまにそういうボランティアで参加するっていうのはあるけど、毎週毎週やるってすごい大変だよね。
チロル:
こんな事冷やかし半分でやる事じゃないと思ったね。
浅田:
そうそう。その時も話聞いたけど、本当に雨の日も雪の日も365日、毎週、毎週休み無くね。だってそれをやめたら何百人という人がめしを食えないからって、言
ってた。
小沢:
ボランティアの話で、社会でコミュニケーションが得意でない人が、溶け込めなくてホームレスに流れてくることもあるらしくて、ボランティアの人もそのことを意識してて、それで色んなホームレスの人たちに話すっていうのが大事らしくて、言葉もきつかったり、決して優しくとかじゃないけど、とにかく接するんだって。
たまにきついことも言ったり、言われたりするけど、そういう事をする事自体が
大事で、とにかくコミュニケーションが大事っていうのを言われてましたね。で
も、その活動自体がやさしいことなんだよね。
青木:
生半可な気持ちで演じちゃいけないなって思います。稽古でシリアスすぎるからもっと
明るくしてとかって言われて迷いました。どういう風にやったらいいんだろうか
。あくまでも舞台だし、誇張する部分もあるんだけど、伝えなきゃいけないところは伝えなきゃいけないし、その境目でどこでバランスとればいいのかっていうところで悩みましたね。難しいなと思いました。
長谷:
もう現実を知っちゃったしね。
小林:
うそはつけないし、
浅田:
迷わないのが一番。
小林:
ホームレスより支援団体のほうが難しいと思う。ボランティア団体の人って、一般的のな目から見ると、偽善者とかただの自己まんっていう感覚のものでしか見られないっていう人が多いじゃないですか。
長谷:
ああ、確かに。
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稽古にて
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一同:
うんうん
小林:
それをあの2時間の、しかも10分、20分の出てくるシーンで、あそこまで熱い人たちを俺は演じれるかっていうと、、、お客さんに伝えられるのは、まだホームレスのほうが、いいのかなっていうのはあります。
青木:
現実の世界では、そういう人たちは毎週やってるんだもんねえ。
■今回のみどころは
?
青木:
セリフ聴いて欲しいな。
浅田:
それはそうだろ、
青木:
そうじゃなくて、言葉の一つ一つですね。
小林:
優等生だなあ。
嘉山:
実際の人たちはそういう人ばっかりじゃないっていうのは現実なんですけど、この物語に出てくるホームレスはそういう逆境にもめげずに明るい人が多いんですよ。なので、そういう環境におかれてもたくましく生きてる姿をみてほしいな。
浅田:
今回の芝居でいうと、ここっていうポイントより、空気感とか生活感とかが、客席も巻き込んで伝わるようになればいいなと思いますね。完全に舞台、客席になるんじゃなくて。
お客さんがリラックスして観れるようなそういう作品だと思います。あと、公園の看板かな、下手の(客席からみて左側)。気合いれて作ってるんで。
チロル:
そうだよな、美術が一押しだよ。
青木:
僕はブルーテントですね。僕が作ったんです。
タイトルですからね。
長谷:
おいしいな。
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大道具製作
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小林:
そういえば、俺とか和さん、インパクトあるもん作ってないですよね。
小沢:
俺今作成中だよ。(うれしそうに)
小林:
なんですか?
小沢:
石畳。(にやり)
浅田:
地味だなあ〜〜〜
小沢:
石畳みてください。
小林:
ラビアンローズのカウンター!
長谷:
玄関マット!
浅田:
みえねえよ!
小林:
担架!
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大道具製作(噂の石畳か!) |
青木:
かべ!
長谷:
ソファー!
その後しばらく続く、、、
浅田:
うるさい!
チロル:
大道具かよ。
一同、落ち着く。
青木:
でも久間さんも言われてたんですが、出会いというか、ラビアンローズの人たちが一般的な人たちなのかもしれないですが、ホームレスとかの支援団体とかそれぞれの
人生があるんだよというところですね。
小林: 優等生
だなあ。
■クリスマスの思い出なんか
あったら語ってください。
浅田:
別れた彼女からもらったものとか。
小沢:
手づくりのセーターとか。
浅田:
りかねえとか編んだんじゃないの?
嘉山:
あ、ばれた。そういえばそんなこともあったな。
初めてセーターとか編んでみて、でも編み途中であげずに、しょうがないんで完成させて自分で着ました。
チロル:
クリスマスに彼女と居る時に会社から緊急の仕事で呼び出されて出勤した事だね。あれは一生根に持ってやる。
小林:
中学校の時、彼女が光GENJIのファンで、コンサートのチケット買って、そのコンサートの3日前に別れました。
浅田:
きっつー
嘉山:
コンサートに行ったの?
小林:
行ってないっすよ。別れた日に家帰ってテレビつけたら光GENJIがローラースケートはいて踊ってたんよ。
一同: うわー
。
小林: 泣いた
。
小沢:
いや、別れてよかったよ。
小林:
なんで!俺の彼女のこと知らないのになんで分かるんすか!
小沢:
いやいや、別れて正解だよ。
小林:
俺まだ彼女との関係とか何一つ語ってないのに!
浅田:
まあまあ、先輩のやさしさだよ。
一同:
そうそう、
長谷:
(にやにやしながら)青木くんとかなんかあるんじゃない?
青木:
いやないっすよ、友達とドンチャンするくらいっすよ。でも車もらってうれしかったかな。
嘉山: 車!
浅田: 車!!
小林: 車!!
!
青木:
おもちゃね、
チロル:
ああ、おもちゃか。
浅田:
なんだよ、びっくりしたよ。
長谷:
おれ、サンタ信じすぎて赤い幻見ましたよ。クリスマスになんとかサンタみようと思って、夜、布団の中で、サンタ来いサンタ来いって、待ってたんだけど、いつのまにか寝ちゃってて、数時間後にばって起きて、ぱっと窓見たら、なんか赤いものが見えて、サンタだ!って!
浅田:
人間すごいな、信じたら何でも見えるんだ。
長谷:
んで、あ、サンタだ、って翌朝起きたら、枕もとにミニ四駆が。
浅田:
それ親父さんがちゃんと衣装着てやってくれたんだよ。
長谷: 違う違
う、窓からでないもん、うちの親父。
浅田:
演出だよ!練習したんだよ、何回も。
長谷:
まじすか、あの人、すげーな。
浅田:
そのままプレゼント置くと、もし万が一、目が覚めた時にばれるから、ちゃんと段取り組んで、完全に舞台はけてから、ふーって。やったんだよ。
長谷:
すげーな、やってくれたんだ。一つの舞台なんだ。
嘉山:
将来自分に子供ができたらやる?
長谷:
やるなら徹底的にやる。
浅田:
めちゃめちゃやりますね。かなり段取り組んで、台本も作って、職場から「今日忙しくて帰れないわ」みたいな電話とかして。
「わ〜ん、今日お父さん帰って来な
いんだ」って、一回子供をへこませといて、サンタの格好して登場! で、一
回ブレーカーも落とさせて、
長谷: すげー
、壮大だなあ、
浅田:
んで、ちゃんとプレゼント渡して、家からでてから、スーツに着替えて「ふー仕事終わったー」って帰ってくるの。
一同: 笑い
浅田:
んで、子供が「今サンタさん来たんだよ」ってはしゃぐんだけど、「そんな訳ねーだろう」、みたいにやるの。
チロル: すげ
ーこまけー。
嘉山: うわー
。でも、やってそう。
浅田:
ま、いつになるかわかんないけど、、、
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通し稽古にて
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長谷: じゃあ
、それまでに演技力みがかないと。
浅田:
ま、そのために6Cにいるからね!
一同: 笑い。
小林:
俺、サンタ信じてたんすよ。はずかしいけど。で、小学校1年の時に、朝起きたらプレゼントが枕元になくて、おかんに、「サンタさん来てくれへんかった」って言ったら、「あ、ごめん。」って。それで分かった。
一同: 笑い。
小林:
「あ、ごめん、忘れてた!」ですよ。ありえなっすよ。子供だったし、ちょっとショックでしたよ。
浅田:
うちは煙突ないけど、どうするの?って聞いたことはあるな。
小沢:
俺靴下を置いてたよ。
小林: え、和
さんが!
嘉山: かわい
い。
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通し稽古にて
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小沢:
その頃、超合金って流行ってて、
男子一同:
ああ!
小沢:
それが靴下の中にはいってたよ。
浅田:
クリスマスプレゼントって言うと、長靴にはいったお菓子のやつ、あれが思い浮かぶね。しょうもないお菓子だけど、なんかうれしかったね。
嘉山:
今でももらってもうれしいでしょ?
浅田:
そうだね(笑)
■最後に一言どうぞ
!
小沢:
クリスマスと言いますと、恋人とかいないからつまんないとかって思ってもらっては困ります。恋人のいない人、いる人も6Cの芝居をみたら、きっと・・・・。
(表情をつくって)
心温まるお話。あなたの胸に届けます。
青木:
眉毛動かしたからね。
長谷:
いい声だ!
チロル:
今年も彼女と過ごすとするかな。
浅田:
おお!
青木:
僕にとっては、6番シードに入団して、初舞台なんですが、こういう心温まるお話にださせていただいて、少しでも、役として、この物語の中で伝えられるものとして、
お客さんの前に出させていただきたいと思います。師走の忙しい時期ですが、是非観にきていただいて、少しでも暖かくなってもらえればなと思います。
小林:
僕にとっても、6Cでは初舞台で、この稽古が始まった時は9月でその頃はどういうものか、想像もつかないものが、だんだん寒くなってきて「クリスマス」っていうこ
の時期にやる舞台のイメージが湧いてきて、多分本番にはやっぱり「ブルーテント クリスマス」っていういい絵ができそうなイメージが湧いてきています。お客さんにいいものが届けられればなと思います。
あなたの胸に届けます。小林祐介でした。
長谷: いい声
じゃない!
浅田: ちょっ
と照れてるし!
浅田:
僕は常に最新作が最高傑作でありたいと思い続けてますんで、今回の舞台も今まで以上
に死ぬ気でやってますんで、全てのお客さんに気持ちが伝えられればと思います
。
長谷:
人生初で一人二役やるんですけど、無理かもしれないんですけど、お客さんに見分けがつかないくらいの芝居ができたらな、というのが僕の今の目標でございます。
嘉山:
外は寒いですけどね、見終わって、お客さんの心にぽっと明かりがともるような、そんな暖っかいお芝居をお届けしたいと思います。
あなたの嘉山理絵でした。
浅田:
りかねえが言うとなんか違う!誘ってるみたい。
嘉山:
う る さ い。
一同笑い。
お楽しみに!
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