交渉を終えて
「Call me Call you」無事終幕しました!
書きかけのハンパな日記から早一週間。ようやく更新いたしました。ご来場いただいた皆様、この作品に関わってくれた役者スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
「いやあ交渉って難しい」
客演の鈴木智晴が公演を終えて、
「最初に出演依頼のメールが来たときからトムさんの交渉が始まってたんですね」
と小粋なコメントをもらいましたが、ひとつの作品を作り上げるというのは、まさしく交渉の連続で。
今作を書くにあたって「交渉術」関係の本を読みましたが、それは脚本よりもむしろ、実際の現場で役立ったように思います。
「交渉」と聞くとえらくドライでテクニカルなイメージを想像しますが、やっぱりそこは人と人。もっともっとウェットなものなんですね。
どこまで相手を思うことが出来るか、とか、感情的になって目的を見失わないとか、そんなことが書かれておりました。
この作品もその「交渉」というクールなイメージをどこまで人間ぽく出来るか、そこをしっかり描きたかったし、描けたように自分では思ってます。それがキャッチコピーである、
「本物の交渉人…現る」
の意味でもあったし。
実は本番までずっと心配していたことがありました。それは、今までもよくあった話なのですが、本番直前に実際に物語と同じような事件が起きてしまうということ。
今回でいえば、本当に立てこもり事件が起きて、そこで何名かの死傷者が出る大惨事になってしまったら…。
でも私はそれでもいいと考えていました。実際に世に起こる事件は、この物語の主人公遠山弥生でも解決できないような複雑で深いものが沢山あります。だからこそ物語の中では、三月勇人という青年が心動かし交渉に応じて投降する。そんなラストシーンでいいじゃないかと。
改めて物語って何だろう、と考えた公演でもありました。
余談ですが、実際に本番前日に立てこもり事件がおきたようです。警察が5時間包囲して、いざ突入してみたら、そこには最初から誰もいなかったというマヌケなものでしたが。
「おいおい、物語より面白いよ」
ご来場本当にありがとうございました。
このブログは今後レギュラー化して残っていく予定です。「夏の6C三昧!」についての日々を、またつらつらと。
トムコラム
4月9日掲載分より *トムコラムはこれからも更新します。ごひいきに!
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