◆宇田川美樹(三輪鈴子役)
 こんなに台詞が頭から離れない公演は今までにない。
  夜眠る寸前のウトウトしている時、夜が白々と明ける頃ダメと一緒に台詞を何度も何度も反すうしている自分がいる。 フッと寝ぼけた頭で「・・・もう、終わったんだ・・・」と思っても、また眠りにつこう とする私の頭の中で三輪鈴子が拳銃を持って走り回っている・・・。たぶん、まだたくさんやり残した事があるんだろうと思う。
 2時間以上の舞台にでずっぱりの芝居。今の私には、一日1ステージが精一杯。毎回立っていられないくらいへばってしまって自分の体力の衰えをひしひしと感じた。 公演を見に来てくれた役者友達が1時間でずっぱりの芝居を経験したらしく、今年はもう芝居はごちそうさまだと言っていた。私もそう感じるのだろうかと少し複雑な心境だったが「ノドモトスギレバ、アツサワスレル」やっぱり「芝居したい」と思う自分がいた。
 次回は今回よりもハードはスケジュールになると思う。でも、お客様と同じ時間・空間を過ごせて私達の芝居で元気になってもらえたら、明日もがんばろうって思ってもらえたら・・・。なんだかそれが全てな気がします。
 12月も期待して待ってて下さい。役者バカな私、次回もおたのしみに。
◆福井信介(牧村透役)

もっとやりたかった。
公演終了後にこんなにも寂しい気持ちになるのも珍しい。それぐらい今回の公演が楽しかった。
すばらしい本、すばらしいスタッフ、そして、すばらしい共演者たち・・。
みんなほんとにありがとう。
感謝してもしきれないくらいです。そして、この公演を観にき て下さった方々、ありがとうございました!

 

 

◆あづさ(富田里子役)
 高校の頃、ソフト部の先輩にすごく好きな人がいたんです。放課後、教室から部活している姿を夕暮れに包まれながら見ていたり、休み時間に用もないのに先輩の教室の周りをウロウロしたり、体育祭では一緒に写真を撮ってもらったり・・・「恋してます!」って感じでしたね。里ちゃんに出会って、そんな思い出が鮮やかに蘇ってきたのはどうしてかな?  
  稽古を始めた頃は「こんな恋に生きる女大嫌いだ!」と思っていたのに、公演が終わる頃には、今までで一番かわいくて大好きなキャラになっていました。里ちゃんに出会えて、ほんまに幸せやったわー。そして、鈴子さんや理香ちゃんとあの部屋で一夜を過ごせたことも。
◆春日雄大(郡山真二役)
”僕の駐車場”って一体何処なんじゃい?
公演終わってからも思い出すあの言葉…。
それもあるけど、「芝居」については悔しい思いでいっぱいです。
「郡山」というキャラクターを、観に来てくれた方々に感じてもらえたかどうか…。
でも自分にとっては、非常に愛着のある忘れられない役となりました。今は寂しく、悔しい思いでいっぱいですが、その中に内含する気持ちを大切にしたいです。
by ガウ
◆長屋純子(蓮見理香役)
芝居をやめなくてよかった。諦めないでよかった。心からそう思える毎日でした。
こんな日が来るなんて想像もできなかった。うん、本当に想像できなかったんだ。 私にとって「パンプシャー」との出会いは大きな転機でした。自分を真っ直ぐに見つめ直すこと、 自分を信じてゆくこと。改めて学んだような気がします。だから、今はとても素直にみんなに 「ありがとう」と言える。そんな自分をとても可愛いとも思える。嬉しいことだよね。
以前だったら恥ずかしいって思ったからね。蓮見理香の人生の一コマを歩めた私は幸せで 彼女の中に見出せたいろんな想いは、今度は私の人生の中で生かされてゆくのだと思っています。 さてと、ネタばれにあのことを書いてから、沢山の人から訊ねられました(笑)
理香に解き放った想いは、結実はしないのだけど、笑顔で「封印」できるだけの勇気を持てた。 強くなれると思う、これからはもっと。ふふふ。結局「謎」なんじゃん♪
◆富沢謙二(田代信五朗役)

夜霧よ今夜もありがとう!!

 

 

 

 

◆附田泉(羽柴かおる役)
ある日、「羽柴警部、赤いスーツ用意してね。派手めでネ。」演出松本氏から言い放たれました。
えっ!?と思いましたね。だって警察っていったら地味で目立たないスーツでしょ。でもきっとかおるさんだからかっこいい感じのパンツスーツくらいかなと思っていたが、まさかまさか・・・
演出からの要求とあっては、逆らうことはできません。 その日から私の格闘がはじまりました。
ヒールもスーツもほとんど着ません。
拳銃、さわったこともありません。
北京語、ニイハオしかしりません。
警察、お世話になったことありません。
色々大変でしたが、でもとても勉強になりました。
観にきてくださった皆さん、パンプの皆さん、スタッフの皆さん、そしてかおるさん、どうもありがとう。
◆山田康弘(佐藤巡査役)

ご来場くださったお客様、本当に有り難うございました。
季節のかわりめの公演で、秋の時分になった今日この頃です。
一つの公演と一つの季節が過ぎ、新しい公演をまた迎えます。
一日後の自分は、今の自分と変わったものでありたいと思います。またそんな変わった自分になるための公演であったと思いますいや、そういった意味の公演であるように、これからも頑張っていきたいと
考えています。本当にご来場有り難うございました。

 

 

◆松本陽一
 秋葉原のマックでスタッフのY氏と雑談をしていた時、Y氏がふとこんなことを言った。
「ラブホテルに、訳ありの女3人が集うっていうのはどう?それで隣の部屋で事件が起こるの」  
 雷が落ちた。即答した。
「そのアイデア、まんまもらってもいいですか?」

 台本を書き出す前に、タイトルを決めなくてはと思った。ラブホテルには何故か「ニュー」がよく使われる。ホテルニューラスベガスとか、ホテルニューフロンティアとか。
 「ホテルニュー○○○206」でカッコイイ名前にしよう。そして舞台は205号だ。
 アメリカの地名がよさげだな。うん、これにしよう。
―ホテルニューパンプシャー206―
「このタイトル、カッコイイでしょう」
スタッフや役者に胸を張ってお披露目した。そしたら、スタッフの一人がぼそりと呟いた。
「これはパロディものですか?」
「え、何で」
「だって、ニュー『ハ』ンプシャー州ですよ、アメリカの地名は」
「え、『パ』ンプシャー州じゃないの?」
「それに『ホテルニューハンプシャー』って映画ありますよ。若い頃のジョディフォスターが出てた」
「え、マジで?」
知らなかった。  

  その後、ホテルニューなんとかって名前をいくつも考えたが、どうしても『パンプシャー』が頭から離れなかった。
 ええい、どうせならこの名前をストーリーに入れてしまえ。そして、このホテルの向かいには『ホテルニューハンプシャー』があるという設定にしよう。うん、これでいこう。
 こうやって台本は書かれていくのである。
 ご来場ありがとうございました。 !