松本陽一(掃除屋)
昔、学生時分に、予算が3億くらいかかりそうな映画の台本を書いたことがある。それを最近ある女優に見せたところ、意外な答えが返ってきた。
「トム君はコメディよりシリアスのほうがいいよ」
だからという訳ではないが、今回、舞台台本としては初めて、シリアス物に挑んだ。しかも半端じゃない重い話。
お客様の反応も様々でした。演じる役者の反応もそうでした。私自身喜劇作家になるつもりは無いのでそのうち書こうと思っていたんですが、映画と違って舞台はやっぱり難しい。まずハッピーエンドじゃないまま幕が降りるイメージが沸かない(ハッピーエンドにもいろいろありますよ、大団円もあればほろり切ないのもありますし)。幕が降りないとあっては台本も書けないというものです。映画はむしろちょっとアンニュイに終わるくらいがカッコいいのですが、舞台はやっぱり白黒はっきり終わらせる、みたいな思いは今でも僕の中にあります。そんな昭和29年はねえよ、っていうお叱りもずいぶんあったんだろうなあ。基本的にこの話はフィクションです。
終わってから言うのもアレですが、当時、今普通に生活していて使っているかなりのものがあったみたいですね。ホント勉強になりました。今の形の口紅(私は勝手に筆だと思ってた)、ヘアピン、茶髪、英会話レッスン、偏差値、とか。本番間近になって、時代が微妙なものが出てくると、「大丈夫きっとあったよ」くらいの勢いで舞台にのせてました(それはそれで問題)。
また気が向いたら、シリアス物にチャレンジしてみたいと思います。その時は、ここまで重くなく休憩もない話にしますので。
次回公演は、いよいよ久間勝彦の二年ぶり(そんなもん?もっと休んでなかった?)の新作「ラストシャフル」です。「シャッフル」でなく「シャフル」ってとこがミソらしい(未確認)。
私はというと、12月に控えたノンストップダンシングコメディの準備をしつつ、あの部分の治療の為、しばし静養に入りたいと思います。
ご来場、ありがとうございました!9月に大塚萬スタジオでお会いしましょう。
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名賀谷純子(ハル婆)
元旦に初詣に行きましてね。お賽銭をなげようと思ったら、急にその小銭が目に入ったのですよ。よくよく見たら、昭和29年の10円玉。ビックリですよね。
さて、今回初めて自分の年齢より上の役をやりました。外を老けさせても中身が伴わないと、うすっぺらくなっちゃうし、なので、なるべくなるべく「老けなきゃ」ってこだわりを排除してみました。でも難しいやー。まだまだ修行しなきゃね。そんな感じです。
ご来場誠にありがとうございました。次にお会いするときは、どんな役でしょ。自分でも今から楽しみです。
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