『電話』

グラハム・ベルが電話機を発明した翌年の1877年(明治10)、日本にベルの電話機が輸入されました。そこから様々な発展を遂げ、昭和25年、国内の電話加入者が120万人に。 戦後、従来の3号電話機の性能をさらに上回る新形電話機の研究開発が進められ、昭和25年(1950)、性能、デザインともに世界の水準をしのぐ電話機として、4号電話機(黒電話の原形)が誕生しました。“ハイ・ファイ電話機”といわれるほど感度が高く、そのためケーブルの細心化にも大きな効果をあげました。 昭和29年9月1日には東京で天気予報の電話サービスも開始。(番号は222番) 同年、東京〜名古屋〜大阪を結ぶ465.9キロのマイクロウエーブ回線が開通しました。マイクロウエーブ回線は、長距離電話の幹線として、またテレビ中継の幹線として重要な役割をになうものであり、市街通話サービスの躍進に大きく貢献しました。

【ちょっとギブリア】
ラジオが視聴者参加型のクイズ番組をはじめたのは、戦後まもない1947年(昭和22)のことでした。やがて、郵便はがきに代わって、電話でリアルタイムに応募を受け付けるようになり、その即時性、スリル感、即興的なおもしろさは、たちまち人々の人気となります。1954年(昭和29)に始まったラジオ東京の「テレフォンクイズ」第1回では、アナウンサーが電話番号を告げたとたん、おびただしい数の電話が殺到、電話局のセレクタのヒューズが飛ぶという事態が発生する大騒ぎとなりました。以後、番組中は扇風機で機械を冷やし続けたり、応募者を電話番号の末尾でしぼったり、てんやわんやの放送を繰り返します。まだ、設備も不十分な時代に敢行されたこの試みが、現在でもラジオ番組に根強く生かされているのです。

【もっとギブリア】
1973年、FAXの原形となるVF9号1-S模写伝送機が登場しました。FAXの研究は意外に古く、ベルが電話を発明する30年以上も前に考えられていました。(しかしずっとテスト段階にとどまっていたそうです)