2月28日(土)・29日(日)
 
松本陽一と待機中の役者達

360度お見せできないのが残念

 苦難の台本配布を終え(前回参照)、いよいよ「ギブテン」稽古始まりました。いきなり驚いたのが人の多さ。今回は登場人物が多いんだなあと人ごとのように思ってしまいました。まずもって立ち稽古をした時に待機場所がない。待機役者が演技スペースを360度取り囲むような形で座っている。誰が待機で誰が出演者か分からん。あ、君だったの、ってとこから声が飛んでくる。そしてトイレ休憩が終わらない。お手洗いの前には長蛇の列が。10分たっても戻ってこない。自然、休憩の回数が増える。この時期はまだ役を回し読みしているのだが、回ってこない。これは役者さんには切実。でも夏じゃなくて良かった。夏にこれやってたら、稽古場は灼熱サウナと化したことでしょう。


想像力というマシンに乗って

昭和29年にタイムスリップ

 さて肝心の稽古のほうはというと、みんななかなか昭和29年という芝居が難しい様子。歩き方一つでも何か違和感を感じたりするもんなんですね。これは一筋縄の芝居じゃないぞ、と私もみんなもこの作品世界の難しさを実感するスタートでした。なかにはもう予習を済ませてる役者さんなんかもいて、「29年の○○は××ですよね」などと、休憩時間は歴史探索の時間になったりしてます。役者が難しいのは、知らないものは演じれないし、よく知ってるからといってうまく演じれる訳でもない。最後には、その時代にタイムスリップする「想像力」でしょうな。私も、資料を読んでもなかなかうまく書けない時は、当時の歌を聞きながら居眠りすることにしています。現実逃避とも言いますが。