今回は売れないコメディアン龍治をやらせていただきます。
大阪出身の私としてはコ メディアン=吉本の芸人みたいな所があります。しかし、実際にコントをやる側になると、笑えない位大変ですね。
役者は「役に生きる」と言われますが、近頃私は「役に生かされている」といった感じです。
今、芝居にとことんのめり込んでいます。 素敵な結末、期待してください。

 
   
 たとえば黒縁の眼鏡の奥の瞳で常に人の顔色をうかがってる人。 たとえば自分より偉い人と定食屋に行き、カツ丼を食べようと思ったけど「盛りそば」ってその偉い人 が言ったから「じゃあ俺も」って言っちゃう人。 たとえば仕事が終わって家につき、 靴下脱いだらプーンと臭ってくる人。そんなごく当たり前の小市民、そこら辺にいる 小者のオッサン。
  それが崎山じゃないでしょうか。なぜか俺にはそんな小者のオッサ ンみたいな役がまわってきます。
 今回の崎山も、最終的に役が決まるとき演出家から 「お前しか考えてなかった」と言われ、なんだか期待されてるのか騙されてるの分からずに稽古をしてきました。そして稽古も佳境を迎え、芸能事務所のオトボケ3人組で繰り広げられるハイテンションな掛け合いは更に磨きがかかってきております。
 観て頂いた観客の皆様の腹筋を十分に鍛えさせて頂きますので、是非築地まで足をおはこびください。
 7月の暑い日を更に熱い気持ちでお待ちしております!
 

   
   皆さんは、恋をするとどんな気持ちになるのでしょうか?
切なくて夜も眠れなかったり、毎日が楽しくて仕方なかったり、辛くて辛くて胸が痛くなったり…人それぞれ恋をした時に強く感じる「気持ち」がきっとあると思います。それは、人を好きになる気持ちに真っ直ぐにぶつかっているからなんでしょうね。私も中学や高校の頃は、恋に損得勘定を持ち込まない純粋な女の子でした(多分)。けれど年を取るにつれ、恋愛の定義みたいなものが少しずつ変わってきているように感じます。「星より昴く」の主人公・真理は、恋に一生懸命でまっすぐで純粋な女の子。ちょうど、高校の頃の私と同じです(多分)。そこで、近頃忘れかけてきた「恋のときめき」を思い出すために、毎日寝る前に中高時代に書き溜めた日記を読んでいます。何冊にも渡って綴られている日記帳には、今じゃ恥ずかしくてとても口には出せないような恋する気持ちがたくさんたくさん書かれていて、自分の事ながら、何度も封印してしまおうと思いました。でもその一方で、こうして無邪気に人を好きになれる気持ちってあったかくて優しいなあ、とも思っている自分に気付きました。そしてその「あったかくて優しい」気持ちに気付けた私は、真理の一生懸命な恋をまだまだ理解してあげられるような気がしました。
 でもやっぱり恥ずかしいので、公演が終わったら日記帳は当分、封印しようっと。

   
 というか、初舞台を思い出す。99年『星より昴く』という一日限りの6番シード第10回公演は自分にとっての人生における始めての舞台にたった公演でした。
 しかも、二役。
 崎山とカメラマン。この二つが自分に与えられた役でした。しかし、カメラマンの 役は劇場の都合で大道具が搬入できず大幅カット。でも、ある日遅れて入った稽古場 で演出家の開口一番『カメラマンのシーンは前半カットになったから』という一言に 口をだらしなく開けて理由を求める自分に『おまえがあまりにも下手だからカットし たの』といわれ、失意のどん底へ……そんな俺を見かねてか演出家は苦笑しつつも 『うそうそ。冗談。カメラマン用のフラッシュとかが劇場に持ち込めないんでカットするだけ』とのたまいました。でも、その時の本当の理由はどっちだったのだろうと 今になって思い返してみると背筋が寒くなります(笑)
 崎山という奴は、強い物に者く、弱い者には強く、目先の利益にすぐさま飛びつ き、美味しい思いをしようと日々チャンスを狙っている、小市民、小物、小役人と いった言葉がお似合いのお調子者で、この役を演じるに当たって自分が一番大事にし たものは『テンション』でした。というか、『テンション』のみでした。
 今となっては懐かしい思い出ですが、あれから2年。少しは状況も変わり、役者としての自分自身も変わった今回、演じさせてもらう西野という役は、崎山の太鼓持ちで、女の子大好きで、強い者には媚びへつらい、弱い者には横柄な奴で、状況にながされやすく、刹那な生き方をする奴で、腰巾着、コバンザメ、ハイエナ、寄生虫などと呼ばれるタイプの人です……て、なんか崎山とキャラかぶってるじゃん……どーし よー……
 

 

   
  ネタばれ厳禁ってったって、再演だからねぇ。「もうばれてるよっ・・・」て気もし ますが・・・。
前回の「星より昴く」(1999年11月6c番外公演)では真理役をやらせていただいたのですが、今回は初のワッキーチョイ役でして、しかもラストに3分位しかでてこないっていう「劇場のおばあちゃん」の役なのです。台本には「劇場のおばさん」って書いてあるんですけど、やってたらおばあちゃんになっちゃって稽古場ではみんなに「おばばっ!おばばっ!」って呼ばれてます。
そしてですねぇこの、「劇場」という所がとってもキーポイント!なんですねぇ。
「全てはここから始まり
         ここで終わる・・・」
みたいな。そんなすてきな場所を「おばば」は毎日歌をうたいながら掃除してるんですよ。雨の日も風の日も本番中も毎日毎日。そう、自分が「真理」みたいに若かった頃を思い出しながら・・・。
稽古場でがんばってる「あづさ」を見てると、なんだか2年前の自分とラップしてきたりして・・・
そんな、真理のよき理解者そしてすばらしいおばばの歌声を是非聞きにいらして下さい。
七夕の夜をおばばと共に・・・☆

   
 今回私がやるのは女子高生。由香という女の子。  
私はちょうど一年前の7月、「女子高生役」で初舞台を踏みました。  
全てが初体験だった初舞台。無我夢中で、みんなの足を引っ張らないようにと、そればかりを考えて迎えた本番。みんなはライトを浴びてキラキラ光ってるのに、自分だけが、光らない・・・みんなのきらきらの正体は何なんだろうと思って落ち込んでしまいました。
 そして、一年経った今、再び女子高生役をやると決まって、ふと当時のそんな思いが蘇ってきたのです。
 あの時、みんながきらきら輝いていたのは、きっと全身に「カケラ」をちりばめていたから。舞台を経験することで発見できるいろいろな「カケラ」たちを。
 私も、毎回小さな小さな・・・でも、私にとっては何ものにもかえがたい「カケラ」を見つけてきました。
 今回私がぜひとも発見したいカケラは「舞台を楽しむ」こと。ほんのちょっぴりでも良いから、この「カケラ」を見つけたい。
 そして、一年後には、そんないろいろな発見の「カケラ」を全身にちりばめて、舞台の上でみんなに負けないくらい、きらきら輝いていられたら・・・。と思う今日この頃です。

宇佐木彩加
 

 

私は今回エントリー女子の中で最年長である。
しかし、今回頂いた役はどういうわけか最年少である。
外見的にイケているわけではなく、理由は最大のミスマッチからであると推測される。
今回頂いた「忍」と言う女子高生はいろんな忍になる可能性を持っていました。 それはもう、様々な忍が生まれては消えて行き、最終的にこれが私の忍であると言うものになって行きました。
彼女は名前とは裏腹に全くもって忍んでおらず、むしろ前へ前へと言うタイプの人間であり、知能指数もかなり難ありでまったく持って「おまえ、大丈夫か?」と言う人間である。 おまけに彼女の人格は私の中で一人歩きし、普通では考えられない、私だったらきっとこんなことは出来ないし考えつかないと言う行動をとっていく。 もう、彼女を止める事は出来ない。
こうなったら私は彼女の人格に体を貸し出し、どんな事でもやって見せましょうといった感じである。 最近では女子高生御用達の雑誌を教科書と呼んで自分自身を洗脳している日々である。
さぁて、結局どんな忍が出てくるかは是非劇場で確認してください。
新しい生き物が発見できますよ。たぶん。

加藤祐子