榊原大輔(照明)
今回「桐の林で二十日鼠を殺すには」の照明は、
私が今までプランニングしてきた中で、
最少の灯体数を用いた照明プランとなりました。
55
この数はちょっと、なんというか。
もちろん、灯体が根本的にないとか、
スペース的に灯体の仕込める場所がないとか、
そういう時を含めれば、これ以上少ない時もありましたが、
それにしても、ねえ。
せっかくザムザを使ったのに、ちょっともったいなかった気もします。
次回の公演は、ブディストホールなのですが、
実は、さらに照明が少なくなるかも知れません。
そのかわり・・・と言ってはおかしいかも知れませんが、
今回のような比較的オーソドックスな照明とは違って、
一風変わった照明になるんじゃないかと考えています。
「あ、こういう照明の使い方もアリなんだ」
みたいな。
でも、すべては演出の久間氏次第ですから。
できあがったら、さらにオーソドックスな照明になっている可能性もある。
その時は、この文章のことはすべて忘れ、
役者の演技を見守っていただけると嬉しく思います。
それに、たぶん、それが良いのです。
照明は役者を見せるためにあるのですから。
今回の55灯が、皆様の観劇の邪魔になっていなければ、
照明家として、これ以上の幸せはありません。
ご来場、ありがとうございました。
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