この作品には録音した声を使うシーンがあった。その声取りの日。 まぁ、すぐに終わるだろうとふんでいた役者達であったが、実は大きな落とし穴が待っていたのだ。 それは…外を走る車たちである… いい感じで録音できたと思い確認するために再生すると、そこには“ブーン”という車の通過音がバッチリ録音されていた。 長めのシーンのため、何度やってもどこかに車の音が入ってしまう。雨戸を閉めても、カーテンを閉めても、稽古場の建物中の窓を閉めてもやっぱり“ブーン”… こうなったら…ということで考えたのは…机にありったけの布団を被せ、その中に役者がもぐりこんでの録音だった。 真夏、しかも締め切った部屋の中で録音に邪魔になるクーラーも切り、そして布団を被せた机の下に入っての真剣な演技…グロッキー寸前の役者に久間氏は申し訳なさそうに「6Cの人気が出たらこんな苦労しなくて済むようにしてやるからな」と。「…いつですか?」の問いには「お前達次第(笑)」と…。 やっぱりね… |
6C初のダブルキャスト配役が3役あった。 稽古は、両方の役者が順番に稽古していくのだが… 久間氏は“夢中になると周りが見えなくなるタイプ”の典型。片方の役者にOKを出すと、もう自分の中で「このシーンはOK」と思ってしまい「次!○○のシーン!!」とどんどん進もうとする。 慌てて「私まだです!!」と手を挙げると「なんだ。言わなきゃダメじゃないか」と。 …じゃぁ、言う隙を作っといてください… |