思い出の
第15回公演「百年の夜が明ける朝」
アイピット目白

どんな団体にも1人はいるであろうトラブルメーカー。例に漏れず、6Cにも1人いる。妹尾伸一。最強である。
常に誰かが見張っていないと思いもよらないことを仕出かす。入団当初はあまりに突飛な彼の思考回路に戸惑い、絶句する事もしばしばあった。今まで個性的だと思っていた他のメンバーが普通の人に見えるくらいである。
でも、根気よくメンバーが舞台の常識から日常の常識に至るまでを教えていき、最近はそれほど危ない事はしなくなった。
が、あくまで“前に比べれば”である。
この作品で、彼は“薬草”を手渡すという設定があった。千秋楽のこの日、普段は薬草を3束程渡していたのだが、どこかで“千秋楽はちょっとはじけてもOK”ということを仕入れてきた彼は、「まだまだあるよ」と袋の中から薬草の束を出すわ出すわ。出す方はいいが、貰うほうは大変である。持ちきれないほどたくさんの薬草を抱え、必死に笑いを堪える。
楽屋に戻った彼がこっぴどく叱られたのは言うまでもない…


この作品、大金持ちの邸宅でのパーティーが舞台になっていた。
その為、女優陣の衣装はかなりゴージャスなものだった。とある役者は背中がバックリあいた超セクシーな衣装を纏っていた。
しかし、背中から下着が見えたら良くないだろうと彼女は養生テープ(粘着力が弱い緑色のテープ)と両面テープで衣装を固定していた。
そんなある日、養生テープが衣装から剥がれ、背中から緑色のものがチラチラと。ある意味、下着が見えるより性質が悪い。それを客席から目撃した久間氏は慌てて楽屋に連絡。
5、6人が一ヶ所に固まるシーンで、ここぞとばかりに周りの役者が、変わるがわる彼女の衣装とテープをくっつけようとぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう背中を押しまくる。当の本人は良かれと思ってしてくれる周りの役者に「もういいよ。わかったよ。ほっとけよ」と思っていたらしい。罰当たりである。