クライマックスで3人ずぶ濡れになるという設定があった。 しかし、現場にシャワーはない。そこで事務所の方のご好意で舞台裏の廊下にスペースをお借りし、簡易プールを設置して、スタッフが裸足でスタンバイ。 袖に引っ込んできた役者の首根っこをつかみ、プールに突っ込んだ上、頭からペットボトルで水をかける。ひどいようだが、時間のない彼らにはこうするしかないのである。 水をかけられる役者は寒さでガクガク、スタッフは素早く現場を大掃除。いつになく、修羅場と化した舞台裏であった。 |
今回も作られた“6CオリジナルCD”。前作、キットカット『純愛エクスプレス』に続き、精力を上げて作られた鮎川葵のデビューシングル『哀しみのリオデジャネイロ』。完成時には稽古場で“鮎川葵・デビュー曲完成披露リサイタル”が開かれた。ステージ(ただの箱)に赤い布(ただの毛布)を掛け、いかにも売れない演歌歌手の営業という雰囲気満載で熱唱する附田。そのときの稽古場はまるで、寂しいデパートの屋上のようだった。 そんな彼女は今回、劇場後ろ扉からの登場だった。そろそろ出番と言う事でスタンバイしていた彼女の目の前の扉がいきなり開き、なんとお客様と鉢合わせに!そう。その扉、附田が登場するためだけのものではなく、お客様がトイレへ行くための扉でもあった。お互い気まずい雰囲気に。そして、お客様は彼女が舞台へ出て行くまでトイレから出てこなかったとか。 そういう事のないようにと、扉の前に立っていたはずのスタッフにその話をすると、「都合で若干扉から離れた位置に立っていて、“やばいっ!”と思ったときには扉を開けてしまっていたの…」と海よりも深く反省していた。 |
2人が望遠鏡で湾を見渡している時、主人公が自分の過去について語り始めるという静かなシーン。望遠鏡を覗く彼の頬を伝う汗を何となく見ていた彼女は、やけに濁っていることに気付いた。よくよく見ると、頭皮から出血していたのだ。どうやらどこかにぶつけたらしい。 びっくりした彼女は思わずカトちゃんのように二度見しそうになったそうだ。 「普通ならあそこまで頭皮は見えないはずなのにねぇ」と意味ありげに呟いていたが聞かなかったことにしよう。一応、彼は6Cの看板役者なのだから… |