公演が出来るまで!
公演をするまでの工程はとても1日や2日で出来る作業ではない。実際は何ヶ月もの月日や大勢の製作スタッフが関わって出来ている物である。今回は"公演"が出来るまでについて調査してみる事にした。
1.打ち合わせ
ここから全てが始まります。演出家・主宰と共に演目、劇場、公演スケジュール、宣伝方法や制作の方針などについて話し合います。演出家と制作は、一番近くて一番相対する立場にいて、演出家は一番いい作品を作るためにどんどん我儘を言うんですね。それを実際の形にできるようにやり方を考えるのが制作の役割。そういう事も話し合ったりします。ここでしっかり話し合っておかないと見切り発車になってしまったりするので、打合せは入念です。
2.製作開始
ある程度の公演詳細が決まると、キャストが決まらないうちに制作が開始します。チラシを作ったり、宣伝方法を考えたり、実際の仕事の分担を決めたり、劇場さんやスタッフさんとの打合せ、チケットの手配、稽古スケジュール組み、大道具制作のスケジュール決定など、必要な仕事を全部洗い出して、どうやって作業を進めていくかを決めます。制作は、全体がうまく流れていくように仕切っていきます。基本的にどの分野の作業にも顔を出して、どうやってたくさんの方にお芝居を気持ちよく観ていただけるか、ということを常に考えながら動くわけです。
3.具体的な作業
さて、いよいよ作業開始です。例えば、HP担当者は具体的にデザインを決めてリニューアルしたり、毎回ご好評いただいておりますネット特典を決めたり、大道具制作、衣装集め、宣伝、サクシード作りなど、稽古の傍らで準備をします。演出家との相談はとっても重要で、毎回制作・演出家ミーティングの時間を取ったりして、一番いい形で公演を迎えられるようにしっかりと連携を取ります。以外に苦労するのが小道具ですね。松本氏はかなり小道具にこだわりを持っている方で、どんどん希望を言ってきます。パソコンが5台欲しい、セミダブルのベッドが欲しい、ドラム缶を二つ用意して、とか。え?どこで見つけるのさ、そんなもん!と思いつつも、みんなで血眼になって探し、最終的には準備しますけどね。とりあえず、この期間が勝負どころです。
4. 最終打ち合わせ
公演も直前になると、チケット販売や受付の準備、劇場さんとの最終的な打合せなどを行います。今回の芸術劇場のように、実際の舞台の大きさを稽古場では体感できない時には、区民館などの公共施設を取って、実寸稽古ができるように準備したりもします。いよいよ最後には、小屋入り後のスケジュールを立てたり、大道具の搬入・搬出などの細かいところまで決めて、準備万端にした上で、舞台監督さんに指揮をバトンタッチします。
5.最後に
「役者と演出家だけでは公演は打てない、制作がいて初めて形になるんだ」という事を制作を専門にお仕事されている方が言っていました。本当にその通りで、脚本の中にある世界を具体化したり、公演を打つ場所を準備したり、お客様に宣伝したりという役目は制作が担っているわけです。「縁の下の力持ち」とか「裏方」という呼び方をしますが、制作と言う役割もある意味、演出家や役者並んで、一緒に、時には先頭に立って、芝居作りをする一つのパートだなあと感じたりしますね。役者は千秋楽の幕が下りると、とりあえず公演の全ての工程を終える訳ですが、制作の仕事は、最後のお客様が劇場を出られるまで終わりません。椅子の座り心地は、空調の温度は、と本番中も心配事が絶えませんが、お客様が笑顔で劇場を後にされる姿を見ると、本当に安心します。最後のお客様の笑顔を見るまで、全力で頑張ります。
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