2003年度号外第5号  <号外>     (2)
夢が丘高等学校新聞部発行
発行責任者(部長)  君島 勉 (2年6組)
2003年(平成15年)4月11日(金)発行     

 「劇団6番シード」特別レポート(全6回予定)、前回も大好評を得て邁進し続ける、部長君島勉を筆頭とした夢が丘高等新聞。
今回のテーマは"スタッフワーク"。次回公演『ペーパーカンパニー ゴーストカンパニー』(略称は『ペパカン』)の公演までの色々な裏話を入手する事が出来た。
独占取材!スタッフワークへの意気込み!

公演をやる上でなくてはならないスタッフワーク。今回も特に協力頂いているスタッフの方から今公演に置ける意気込み・チラシ・選曲のイメージのコメントを拾う事に成功した。

=宇佐木 彩加=(制作)
私は印刷物(サクシードやパンフレット)の制作を担当しているのですが、モットーは『私が読みたい印刷物』です。十人十色、好みって人それぞれですよね。それを全部聞き入れてたらキリがない。なら、自分を信じて自分の好きなもん作っちゃえ!って感じです。役者をやっていた時も、基本は『私が気持ちいい芝居』をモットーとしてましたから。気に入らないところはどうして気に入らないのか、気持ち悪いのか徹底的に追求です。やっぱり、根本的な性格っていろんなとこに顔を出してくるものなんですね。

=古内 修一=(音響)
ペパカン選曲のイメージは、「んームムムムム。あれも合いそーだし、これも合いそうだし、何がドンピシャ来るのだろう?ンームムムムム(考え中)。。。。。そーッすねぇーあまり深く考えるの好きじゃないので、今日はこれにて失敬!曲探しに行っていいですか?(去る)」てな感じで。 意気込みは、毎回の事なんですが、だれも知らないこんな曲、聞いたことないあんな曲、忘れていたやんそんな曲、をお届けできればなと思っております。

=佐瀬 勉=(宣伝美術)
6番シード4作目のチラシデザインは、「ハートフルコメディ」とのことで、3作までの明快な色使いから落ち着いたあたたかな色彩構成を心がけた。必ずしも芝居のシチュエーションとリンクしたビジュアルではないが、「ハートフル」な「愛情」が伝わるだろうか? チラシ>>>

その5 『まかない調査隊!6Cのパワーに迫る!』

あっこで〜す

稽古場日記に必ずといって良いほど出てくるキーワード"まかない"これは何を意味するのか。今回夢が丘新聞部部長君島勉直々に現場に取材に出向いた。平日稽古の火・木に稽古場には何やら大量の食材が袋に入ったまま放置されている。しかし、その日は稽古場には動きは見られなかった。動きがあったのは、土曜日の朝9時頃天田晶子さん(通称あっこさん)なるキーパーソンが現れた時だった。彼女は笑顔のまま黙々と黙々と"それ"を続ける。演出家松本氏の稽古の休憩時間に合わせ準備は進められていった。
16.5合という通常の家庭には見受けられない何倍もの米を砥ぎ手際良く処理していく。更に"寸胴"と言われるレストランや給食等に用いる業務用の鍋2つ程用いて効率よく作られていった。これが一食分というから凄まじい6Cメンバーの食欲。サラダ・味噌汁・カラアゲ・御飯等が出来上がっていく。更に翌日のお昼の分(ハッシュ・ドゥ・ビーフ)まで作っていたのだ。これが幻の"まかない"正体であった!あっこさんにインタビューを試みた。

―まかないを作る際、気配っていることは―
とにかく栄養のあるものをバランス良く。色んな食材を食べれるように野菜(特に緑黄色野菜・根菜)をたくさん出す。たまには旬の食材で季節を感じてもらう。(秋は鮭やきのこ、春は筍とか)

―得意料理はなんですか―
和・洋・中何でも作ります。新メニューは本を読んで作り方を大体覚えて分量は自己流にアレンジします。料理が趣味の一つなので毎週の献立作りが楽しみです。栄養士の資格を持っています。

―困っていることは有りますか―
10kg単位で購入するのですが、御飯(米)の減りが早いので気づくと米が切れている。5.5合炊きの炊飯器3台で炊き出しをしているのですが、カレーや炊き込み御飯等メインが米の時は足りないので2度炊きしている。米が無いと食った気がしない!と言うメンバーが人数いるのでパン・パスタを作っても米を炊く事。

―良かった事は有りますか―
ささやかな幸せは100円ショップで特大食器洗い桶と油こし網を購入した事。

 


劇団6番シードに新たな助っ人加入! 
ペパカンのキャストも決まりいよいよ稽古も本格的に始動し始めた3月半ば頃。劇団6番シードの稽古場に突然一人の男性が見学に来た。寡黙な男性であるが瞳の奥に隠されたアツイ眼差しが彼の本気さを証明した。平日・休日必ずといって良い程出席している。更に、律儀で礼儀正しく良く働く。本誌はそんな彼に興味を抱き取材を試みた。

〜鈴木くんからのコメント〜
どもども、初めまして鈴木と申します。今回6番シードで会場スタッフのお手伝いをさせて頂く事になりました。6番シードは"ミキシング・レディオ"から見て"心地良いスピード感""言葉のキャッチボールが上手い""小沢さんは絶対に阿部寛に似ている"といった事が印象に残る劇団で、こんなにも人数の多い所でお手伝いをするのは初めてなのでとても緊張しています。皆さんとは受付、又は会場のどこかでお会い出来るといいですね。ご来場心よりお待ちしております。

公演が出来るまで! 
公演をするまでの工程はとても1日や2日で出来る作業ではない。実際は何ヶ月もの月日や大勢の製作スタッフが関わって出来ている物である。今回は"公演"が出来るまでについて調査してみる事にした。

1.打ち合わせ
ここから全てが始まります。演出家・主宰と共に演目、劇場、公演スケジュール、宣伝方法や制作の方針などについて話し合います。演出家と制作は、一番近くて一番相対する立場にいて、演出家は一番いい作品を作るためにどんどん我儘を言うんですね。それを実際の形にできるようにやり方を考えるのが制作の役割。そういう事も話し合ったりします。ここでしっかり話し合っておかないと見切り発車になってしまったりするので、打合せは入念です。

2.製作開始
ある程度の公演詳細が決まると、キャストが決まらないうちに制作が開始します。チラシを作ったり、宣伝方法を考えたり、実際の仕事の分担を決めたり、劇場さんやスタッフさんとの打合せ、チケットの手配、稽古スケジュール組み、大道具制作のスケジュール決定など、必要な仕事を全部洗い出して、どうやって作業を進めていくかを決めます。制作は、全体がうまく流れていくように仕切っていきます。基本的にどの分野の作業にも顔を出して、どうやってたくさんの方にお芝居を気持ちよく観ていただけるか、ということを常に考えながら動くわけです。

3.具体的な作業
さて、いよいよ作業開始です。例えば、HP担当者は具体的にデザインを決めてリニューアルしたり、毎回ご好評いただいておりますネット特典を決めたり、大道具制作、衣装集め、宣伝、サクシード作りなど、稽古の傍らで準備をします。演出家との相談はとっても重要で、毎回制作・演出家ミーティングの時間を取ったりして、一番いい形で公演を迎えられるようにしっかりと連携を取ります。以外に苦労するのが小道具ですね。松本氏はかなり小道具にこだわりを持っている方で、どんどん希望を言ってきます。パソコンが5台欲しい、セミダブルのベッドが欲しい、ドラム缶を二つ用意して、とか。え?どこで見つけるのさ、そんなもん!と思いつつも、みんなで血眼になって探し、最終的には準備しますけどね。とりあえず、この期間が勝負どころです。

4. 最終打ち合わせ
公演も直前になると、チケット販売や受付の準備、劇場さんとの最終的な打合せなどを行います。今回の芸術劇場のように、実際の舞台の大きさを稽古場では体感できない時には、区民館などの公共施設を取って、実寸稽古ができるように準備したりもします。いよいよ最後には、小屋入り後のスケジュールを立てたり、大道具の搬入・搬出などの細かいところまで決めて、準備万端にした上で、舞台監督さんに指揮をバトンタッチします。

5.最後に
「役者と演出家だけでは公演は打てない、制作がいて初めて形になるんだ」という事を制作を専門にお仕事されている方が言っていました。本当にその通りで、脚本の中にある世界を具体化したり、公演を打つ場所を準備したり、お客様に宣伝したりという役目は制作が担っているわけです。「縁の下の力持ち」とか「裏方」という呼び方をしますが、制作と言う役割もある意味、演出家や役者並んで、一緒に、時には先頭に立って、芝居作りをする一つのパートだなあと感じたりしますね。役者は千秋楽の幕が下りると、とりあえず公演の全ての工程を終える訳ですが、制作の仕事は、最後のお客様が劇場を出られるまで終わりません。椅子の座り心地は、空調の温度は、と本番中も心配事が絶えませんが、お客様が笑顔で劇場を後にされる姿を見ると、本当に安心します。最後のお客様の笑顔を見るまで、全力で頑張ります。


次回予告!
                            乞うご期待!!