とても寝不足では無理な芸当だろう。「僕は好調・不調の波が荒いんですよ。1週間に1ページしか進まないなんてときもあります。つまり、書けるかどうかはタイミングが大事なんです。だから、そのタイミングがいつ来てもいいように、いつでも状態は万全にしておきたいんです。睡眠もちゃんととって、食うもんもきちんと食って」。なるほど、「心・技・体」が揃って、初めて素晴らしいストーリーが浮かぶということか。 さらに、松本氏はこう続けた。「それでもあまり寝れないときもあります。夜2時まで書いたら寝ようと思ってて、ずっといいアイデアが浮かばない。でも、終了間際の1時45分頃になって急にいいアイデアが浮かんでテンションが上がってくる。そうなれば、書くしかないので書く。それで寝れない。そんなときもあります」。 脚本家という職業も、新聞記者と同様、なかなかツラい職業のようである。