どうですか、うちの稽古場は。
	正直、稽古場の雰囲気で決めたんですよ。決めたっていうと偉そうですけど。なんかアツイなって。真剣で。みんなそれぞれ仕事を抱えながらもちゃんと役もやっている。主役の土屋君にしてもあれだけの大役をやりながら制作もやってる。彼だけじゃなく、みんなの一体感がすごいなって思いました。
	土屋君はアツイですね、今回。からんでいてどうですか？
	昔を思い出します。
	そんな歳じゃないじゃないですか（笑）！
	非常に思い出します。あんなときもあったなと。僕もあんな瞳をしてた時期がありました。
	ちっちゃい役になると、とたんにやる気なくなる男なんですよ（笑）。
	わかりやすいですね。常に重い石を背負わせておいたほうが光るタイプ。僕はですね、（ネタバレのため泣く泣くカット）なんです。
	すごくロックと似てませんか。
	ええ、ロックの気持ちがすごくわかります。
	すごいな、俺。預言者のようにキャラを言い当てて書いてる。
	実はコメディはあまりやったことないんですよね。
	すごくコメディやっていらっしゃるような感じですけどね。笑い系の。
	稽古ではやってましたけどね。ほんとに今回のロックは自分にシンクロしてまして。稽古場見学にいってヴァズカビルをやらせていただきたときの、松本さんやみんなの期待感。一身に感じてましたが、いまやこう（手で下降線のジェスチャー）ですからね。
	いやいや、そんなことないですよ。そんなネガティブにならないでください！
	わりと芯が弱いなって部分もさらけ出しつつ、アイアム　ロックだという感じです。だんだん化けの皮がはがれていく…
	いやいや、はがれてませんから。みんなで影でほくそえんだりしてませんから！ロックの登場シーンかっこいいじゃないですか。
	ええ、登場は。あれは輝いていたなって…
	大丈夫です、大丈夫です。大丈夫ですから！
	―　自分の役以外で気になるキャラクターはいますか　―
	ジイサマ（藤田直久）ですね。年取ったらあのポジションに行きたいです。省エネでいいですよね。低カロリーで沸かせられる。リアリズムの結晶です！
	僕はキューブ三兄弟に入りたかったですね。そういう計画もあったんですよ。演出家がああいう役をやるのも面白いんじゃないかってね。
	三兄弟のどこに入りたいんですか。
	それはキューブ（長男）でしょう。謙二（冨沢）さんと和（小沢）さんがいたらキューバ（三男）でもいいかもしれないけど。年齢的なバランスがありますからね。