終わりました「月間松本陽一」。最後までイマイチ馴染めない感じのタイトルでしたが、怒涛のように、それでいてしっかりと終われたんじゃないかと思っています。もう5月公演なんて恐ろしく過去の話みたいで回想するのもはばかれる感じですが、いっちょ3つとも振り返ってみましょう。
5月公演「最後の1フィート〜一篇の映画を巡る3つの物語〜」
この公演からこの3ヶ月連続公演がスタートしました。それは小さな劇場で小さな物語をやりたいという私の希望からでした。再演ということもあり、変形の劇場ということもあり、けっこう細かく稽古したような気がしますね。勢いに任せてみんながテンポよく動いて、みたいな芝居じゃなかったので、それこそ台詞に反応してこのタイミングでうつむく、とか小さな動きまで指示しました。私の演出ではあまりやらない手法でしたね。こういう人数の少ない芝居を丁寧に作るというのも今後ちょいちょいやりたいなあと思います。この作品は本当に好きですね。でもどんなキャストでもいいからバンバンやりたい、というとちょっと違う気がするので、やっぱりしばらくは再演しないと思います。でもまた小さな空間でやりたいなあ。そんな芝居でした。
6月公演「ジェントルマンズキッチン」
この若手公演の中盤くらいから、月刊ペースに慣れてきたのと追い込まれたの両方が押し寄せてきました。潰れそうな弁当屋に救世主が現れて・・・という構想だけで書き始めましたが、そのまま奇跡なんか起きないけどええ感じで終われたらええなあというラストシーンにかなり苦戦しました。若手公演=青春。みたいなノリで青春コメディにしようと思ったのですが、青春ってけっこう難しいのだと実感しました。出演者の一人が初日終えた時点で足を脱臼したり、スタッフさんが骨折したりと、現場もまさしく青春(?)のエネルギーに溢れておりました。若手俳優の一人が本番前に脱臼してしまった同じく若手俳優に向かって「俺はお前を許さない!!でも全力で俺がカバーするから死ぬ気でいい芝居にしようぜ!」みたいなことを絶叫してまして、スクールウォーズの山下真司みたいな気分でちょっと泣いちゃいました。こういう公演も当分はやらないと思いますが、またやってもいいかな。
7月公演「Voice Actor」
この公演から地獄のような苦しみでしたね(執筆が)。新作連続でなんてことでメンバーも最初から、これは大変なことになるぞ、と覚悟していたようですが、まさしくその通りに・・・。客演の方の助けも借りて総力戦で乗り切ったという印象です。
とはいえ現場は穏やかに笑いが絶えず、それがこの作品の面白エネルギーになったかなと思っています。
執筆に苦労したと書きましたが、前半までは非常に順調でした。アフレコ現場を切り取ったバックステージものでしたが、あまりに前半が面白くて自分的にも気に入っていたので、なんとかラストまで笑いっぱなしで終わりたいと考えたあたりから地獄の一丁目が・・・。
主人公前田を演じた小沢さんには久々の等身大の役で非常に伸び伸びやってましたが、千秋楽を終えた顔は戦場から帰還した兵士のようでした。
評判も非常によく、メンバー共々、松本コメディここにあり!みたいな自信を持って公演を終えることが出来ました。ホント楽しい作品だったですね。こういう作品は、何の気兼ねもなくどんどん再演してみたらいいのかもね。小沢さんの体力が持つ限り。
喉元過ぎればラララララで、メンバーも私もさっさと次の現場へと動き始めました。始めた時は「おお、無茶苦茶だけど面白え!」、やってる途中は「おお、無茶苦茶すぎてしんどい!!」、終わってみると「おお、無茶苦茶だけど出来ちゃうもんだね!!」
人間はタフです。でもしばらくこんな無茶はやりません。
次回は11月!まだ時間はありますが、内容がもの凄いので・・・
東京芸術劇場に船を建造するし、
総勢40人のキャストだし、
日本の中世の海賊ものだし、
15周年記念だし!!
という訳で次回もきっと無茶苦茶大変です。
ご期待ください!
3ヶ月連続公演にお付き合い頂きましてありがとうございました。
心より感謝を込めて。
松本陽一
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