健常者にとっても、けっして快適な観劇環境ばかりではない小劇場の空間を、バリアフリーにしようという考えは、ある意味無謀かも知れません。でも、厳然と存在する小劇場の芝居、多くの人たちに愛され、数多くの名優たちを輩出してきたこの文化を、希望する誰もが観られるようにする事は私たち主催する劇団や、劇場側の責任ではないでしょうか。確かに劇団という組織そのものが存続するだけでも大変な環境にある中で、バリアフリーを考えると、人手やコストの問題、何より劇場の設備の問題と、とても越えられないハードルばかりのように思えてしまいます。でも、世にあるすべての問題がそうであるように、できる事から始めていけば、いつか光は見えてくるはずです。 「自分達に出来る事を、ひとつずつ」 全ての方を完全にサポートするにはほど遠い状態ですが、可能な限りお手伝いさせていただく所存です。障害者も健常者も隔たりなく、小劇場の作品を観る事の出来る劇場空間作り、これが私たちの最大の願いです。

 
     

     
     
 

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