大橋 |
最近はミュージックビデオの監督をやってまして、先日スタジオ撮影とライブの撮影が終わって明日から編集に入る感じです。 |
松本 |
PVの編集は面白そうですね。映像って本当
に編集が面白いですよね。舞台との一番の違いは、映像はフィルムに残る。舞台はLIVEでやるっていう。舞台は波がありますから、生なんで。映画っていうのは
、現場ですごい粘っていい画を作って、それを編集に持ち帰って自分で切った張
ったする、あの時間ですよね。幸せを感じるのは。 |
大橋 |
そうですね。 |
松本 |
舞台だとキャラクターを創るとかね、そういうのも大事なんですけど「間」とか「テンポ」っていうのは、映像でいう所の編集かもしれないですね。やっぱり今回の芝居も速いんですけどその速さって言う
のは完全に自分の好みっていうか生理の部分なんで。編集してるのかも知れない
稽古で。その後ろの何コマいらないって。役者さんに0.5秒切ってってよく言うんですけど、これは編集作業なのかも知れないですね。
先日大橋君と昔お互いが監督した作品を持ち寄って上
映会をしたんですね。出演してた役者さんなんかを呼んで。もう恥ずかしくて恥
ずかしくてたまらなかったんですけど。初めて僕が大橋君に嫉妬したというか、当時大橋君が自分のおじいさまを撮ったドキュメンタリーがあってですね『ここ
だここだ』って作品なんですけど、それが非常に心にぐっときて。
本人は孫の視点だから撮れたなんて言ってるんですけど。それが賞取ったんですよね。で、なんぼか金もろうて。くっそーって!僕の中で確率論みたいなところ
があって、映画学校の学生って何十人くらいなんですよ。その中で世に出て監督
になれる人なんてそんなにいないって思うわけですよ。それで1人賞もらって金もらったって奴がいたら確率論的に俺もうなくなっちゃうみたいなことがあって
。凄い焦った記憶がありますね。今映画塾で世に出られるのが1人だったとしたらその枠に大橋がいってしまったみたいな。
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大橋 |
あの作品のおかげで確かに映画業界に入れたんですよね。学校の卒業式に流れたんですが、その時に山田洋次監督が相当気に入ってくださいまして。で山田洋次監督の作品に助監督見習いで呼んでもらえるっていう話になりまして。結局他の作品からスタートしたんですが。その当時って、1ヶ月あたりのギャラが家賃より低かったですよね。
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松本 |
どうやって生きていくの?
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大橋 |
でも、最近はPVの監督の話が来たり、自分の映画の企画が動き出したりしてるので、長く続けてみるもんですね。
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